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作者:タイツの人さん
投稿日時:2007/03/12(月) 21:56:29
備考:クリ姉は何度でも蘇るさ。人類の夢だからだ!


354 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 21:56:29 ID:pMc1XEdv

"血風"のクリスタトスから抜け出た『足付き台座に運ばれていった"目玉"』の行方、
瀕死で起き上がり、立ち向かってきた"烈火"のスカラマンガの言い放った『クリスタトスはまだ死んでいない』という言葉…
不可解な出来事の連続でミユキは暗澹たる思いになっていた。
だが…タイツは違う。彼は至極さっぱりとした様子でこう言い放った。
「え~っと、とりあえず…出ようか」
それは、まるで店から出る時のを思わせる無難な言葉だった。ちょっと拍子抜けしたミユキは「え、えぇ」と生返事で返して踵を返す。

出入り口はドアが吹き飛んだせいで簡単に出られる。その奥は廊下だろうか…暗くてよく分からない。
不安に駆られるミユキに、タイツは「罠があるなら立ち向かうだけだぜ」とこれまたあっさりと言ってのけた。
不本意だがここは彼の言うとおりだ、と思いつつ何気なく足取りを重くしてタイツに先行させるミユキ。
が、傍にいるブロフェルドが動かない。どうしたのかと不審に思い尋ねてみると彼女はこう返した。
「―――私は最後に出ます。先に出入り口から出て下さい、姉さん」と。表情は暗い。
常に冷静な娘である彼女が塞ぎ込んでいる。珍しいこともあるもんだとミユキは首をかしげた。
思えばクリスタトスが最後の台詞を吐き終えることも無く事切れた直後から彼女の様子が変わっていた。
あまりに気になったので探りを入れようとしたミユキの肩をタイツが掴む。これまた珍しいことだった。
思わず拒否反応を起こしそうになったミユキだったがタイツの顔(といってもタイツ越しなので正確な表情が掴めない)を見て従った。
彼は無言で(行くぞ)と言っている――そう感じた彼女はそのまま2人で出口へと向かった。
タイツは振り返ることなく出て行く。それに着いていく形になったミユキは出口に差し掛かる直前でちらりと妹の方を見やった。
…そのブロフェルドの手が掲げられ、倒れているクリスタトスらに向けられるのを見て、ハッとなって見るのを止めた。
そして出口を出て折り返したところで、「ドォン!」という炸裂音が―――「ドォン!」……2度、響いた。
僅かな振動、天井から落ちるホコリ。出口付近からブワッと白煙が舞う様。何があったかミユキはすぐに分かった。
――出る瞬間に妹を見た、あの時にすでに直感で察していたのだ。ブロフェルドは仲間の後始末をするのだ、と。
最初は爆音のショックで肩をビクッと振るわせたがなるべく動じないように努めた。
死体は2つ、爆音は2回…始末は終わったはず。用を終えて戻ってくるはずの妹に格好悪いところを見られたくない。
それはミユキなりの見栄であった。タイツはそんな彼女の内心を知る由も無く、通路の先をただ見つめるだけだった。
その視線の先には、長そうな通路と闇が広がるのみ。これから先の見通しは…その光景どおり、暗い。


355 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 21:57:41 ID:pMc1XEdv
爆音から少し経ったが、ブロフェルドは帰ってこない。ミユキは待つ間に彼女のことを考えていた。
思えば、あの娘も始めはタイツらを抹殺するために送られた者だった。成り行き+収拾がつかなくなったヤケクソ分+打ち切り補正で
何故か味方っぽく振る舞い、自らの主とミユキを追っていた組織の連中・そしてミユキまでも倒して今はタイツとミユキの妹を名乗る。
…ミユキは超人的なタフさで生き返り(!?)、ブロフェルドと再開した折、多少の口論の末に何故か彼女を家に招く羽目になり今に至る。
その時の経緯を数行で表すと、こうだ。

「あの時はよくもやってくれたわね!」
「落ち着いてください姉さん」
「これが落ち着けるかっての!死の淵をさ迷ったわよ!夢の中で誰かに蹴り殺された気がするし、散々な臨死体験だったわ!」
「はぁ。それはまた貴重な体験を…とにかく、一旦落ち着きましょう。姉さん」
「む~~…ええ~い!誰が"姉さん"か!あたしは一人っ子だしアンタみたいなでっかい身内なんていn――」
「…落ち着きましょう。姉さん」
ポワワワァァ~~~ン……
「あ―――え、え~っと、なんだか拍子抜けしちゃうわ。最初に出会ったときの人間凶器っぷりは何だったのかしら?」
「気のせいです。全ては悪い夢だったのです。姉さん」
「う…あんまり"姉さん""姉さん"って連呼しないでくれる?なんだかこっ恥ずかしいわ」
「――わかりました。姉者」
「…"姉さん"でいいわ……と・に・か・く、こんな街角でやってても埒が明かないわ。家に来なさいよ」
「は、はい。よろしくお願いします。姉さん」
「はいはい…ん?――ん~~~~っ……ま、いっか」

……こんな感じである。ぶっちゃけると、ミユキは思念操作を食らっていたのだが本人は全くの無自覚だ。
とにかく、この後に行く当てがないことをブロフェルドの口から告げられたミユキは仕方なく彼女を居候させている、というわけだ。
もちろん彼女が無加工でミユキを説得していたかというと…怪しいものだが。

ミユキが回想に思いを馳せていた時、ブロフェルドは未だ出口から漏れ出続ける塵芥に紛れながらひょこっと姿を現した。
タイツもミユキも部屋の中がどうなったかなど知りたくもない気分だった。微かに漂ってきた嫌な臭いだけでも十二分に過ぎる。
「お待たせしました。行きましょう」
が、臭いで顔を曇らせた2人とは対照的に、戻ってきたブロフェルドはいつもの落ち着いた姿勢の彼女に戻っていた…

367 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:25:35 ID:k7Nqd56k
3人は長らく闘っていた一室を抜け、暗い廊下に躍り出た。
出てみて分かったが、今までいた場所は突き当たりにある部屋だったようだ。
左手は行き止まりになっている。目の前にはドア(ブロフェルドが吹っ飛ばしたものと同型のもの)がある。
臆することなく戸を蹴飛ばすタイツ。だが、そこにはそれまでいた部屋とほぼ同じの、殺風景な一室があるだけだった。
「――ここってあたしが監禁されてた部屋じゃないの?」
タイツの脇から顔だけ覗かせたミユキが室内をキョロキョロと見渡す。確証は無いが何となくそんな気がするらしい。
「まぁ、とにかく無人だな。次、行ってみよー」
そう言うと戸を開けっ放しのままで部屋から視線を外して暗闇の支配する廊下に目を戻した。
相変わらず先行き不安を地で行くような薄暗い通路。と、その闇がじょじょに明るくなっていく…
上を見ると、蛍光灯が手前側から次々に点灯していくではないか。その光は次第に奥へ奥へと広がっていく。
通路の天井に一列に並んだ照明が最奥部(?)に達するまでそう時間はかからなかった。暗闇から一変。光が席巻する世界が広がる。
「へぇ。向こうから"こっちにおいでよ"と誘ってるわけだな。いい度胸してるぜw」
タイツは嬉しそうにそう呟くと意気揚々と歩を進めていく。他の2人もそれについて行く。
白い廊下が真っ直ぐ置くに向かって延びていて、壁には無数のドアが整然と並んでいる、という光景だ。
「ポルターガイスト3とかマトリックス リローデッドで見た光景ねー。スミス出ないよねスミス?」
「…言ってたら出るから止めれ。まあ、映画以外で例えるならホテルの廊下だな~」
「人の気配が全くないですね。来る時は全然気にする余裕ありませんでしたけど…」
感心するミユキ。キョロキョロするタイツ。辺りを警戒するブロフェルド。廊下には彼らの立てる足音だけが静かに響く。
「あ!そう言えば!アンタは外から来たのよね!?どうやってここまで来たの!?」
突然、巧い事に気がついた!とばかりに開けた表情でミユキがブロフェルドに問いかける。
思い出してみれば、ブエロフェルドはミユキ(とタイツ)のピンチに駆けつけたのだった。
どうやって察知したかはこの際気にしないことにするが、ここは何処なのか、というのが気掛かりだった。
期待の眼差しのミユキ。しかしブロフェルドの反応は芳しいものではなかった。
「それが…急いでいたのでここが何処なのかはさっぱり分からないんです」
その返事を聞いたミユキは「だあぁ~っ!」と嘆いてギャグ漫画みたいに引っくり返った。何じゃそりゃ、である。
「兄さんと姉さんの危機を感じて咄嗟に飛んできたものですから…ごめんなさいね、姉さん」
顔の前で手を合わせて詫びるブロフェルド。だがミユキはあまりにも間抜けなこの妹の答えに立ち直れずにいた。
そこでタイツが仕方なく彼女を宥(なだ)めようとした…その時、

「ちょっと~、喧(やかま)しいわよ~」

と…整然と並ぶドアの、その一つから女の声がした。そのドアまでは少し距離があったが『聞き覚えのある声だ』と3人は思った。
「廊下で騒いでるのは誰よぅ??」
再び声がする。冷たい響きと語尾が微妙に間延びした口調。露骨に迷惑そうな声音だが、確かに聴いたことのある声であった。



368 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:27:00 ID:k7Nqd56k
とんとんとんっと床板を踏みしめる音が響く。実にわざとらしい演出だがタイツは気にしない。
右手をそっと添えてラグナロクを屹立(きつりつ)させる…彼の抱く期待に応えるようにムクムクと大きくなる物体999!
思わずシコシコしそうになるのをグッと堪えるタイツ。だがその興奮に敏感に反応してしまい膨張するワルサーPPK!!
「くそっ。落ち着け。落ち着くんだ相棒ッ!」
誰にも聴こえない声だったが背中越しでも不審な様がハッキリと分かる慌てぶり。だが肝心のヌークは言うことを聞かない。
「ちっ!この聞かん棒めっ!ぴしぴし!」
「…一人で何言ってんのよ」
流石にミユキが探りを入れようとしてきたがタイツが尻を突き出してその手を拒絶した!
「な、なんでもないブリ!」
迂闊。声が上ずってしまった。女が出てきたら即、強姦する気なのだ。彼のセンサーは既に相手を"女戦士"と断定している!!
―――やがてその声のしたドアが"ギイィ…"と開き始め、その向こうからスリッパを履いた生足がぬっと出てくる。

そして、出てきたのは…浴衣姿の若い女だ。灰色の髪。氷のような美貌。背丈が高く、浴衣から見える白い肌が扇情的だ…
――声に覚えがあるはずだ。それは紛れもなく、先ほど死んだはずのクリスタトスに瓜二つの美女だった!
ミユキは現れた彼女に吃驚している。ブロフェルドはすぐに身構えた………タイツは、走った!

「クリトリスの姉御!今度は抱かせてくれ!」

神速で浴衣から見える胸の谷間に顔をうずめるタイツ。その動きは見てからではかわせない!
ヘッドスライディングの要領で人間魚雷と化して突っ込んでいくタイツ!向かう先はベースではなく、浴衣姿の女の腰だ!
ドアから離れたクリスタトス(っぽい女)は注意しに出てきたようだが突然の襲撃(?)に完全に面食らってしまった。
そのせいで、彼女は棒立ち同然となり、タイツの力強い腕がその細い腰に巻きつくのに手間はかからなかった。
ガッシリと巻きつく変態タイツ仮面!彼は彼女の肢体を貪るように肌をすり寄せていく…っ!



369 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:28:50 ID:k7Nqd56k
ギュッ、と力強く抱きしめられるクリスタトス(なのか?)は接触からワンテンポ遅れて悲鳴を上げた。
「え?―――って、きゃ~っ!?いやああああっ!」
ショックを受けて腰が引けてしまい、その場に尻餅を着いてしまうクリスタトス(かもしれない人)。
タイツは問答無用で浴衣姿のクリスタトス(仮)を押し倒し胸とかお腹とか太ももを攻め始める!
だが、息子は待ち切れない様子。"せっかくだから"一気に貫くところまで往こうかとブツを露出する前に、妙な違和感を覚えた。
「…ん?"きゃー"?"いやああああ"!?」
前に会った"スーツにコートな"彼女なら挙げそうにない声だ。変に思って下に敷かれて仰向けになっている彼女を凝視する。
まじまじと押し倒したばかりの女の顔を凝視する。日本人離れした顔立ちに黒い瞳。そして眼帯。見覚えのある顔だ。
だが…服装は浴衣だ。相変わらずプロポーションは良い。先の勢いで浴衣がはだけて胸やらおヘソやら剥き出しになってて実にエロい。
「だ、だ、誰よ貴方!ちょッ…離してよっ!」
そのいやらしい格好の女はミユキと似たような口調で猛抗議してくる。パンチやキックが襲ってくるが、非力なのか全然痛くない。
あんまりにも変なんでタイツは一旦作業を止め、本人確認を試みる。改めてクリスタトス(っぽい人)の顔を見つめながら呟く。
「お前…クリスタトスだよな?」
「は?…な、なんで私の名前を知ってるのよぅ!?」
目の前のクリスタトス(らしい)はジタバタともがき続ける。だがヤる気満々だったタイツは彼女をがっちり固定して離さない。
「この胸の感触は間違いない…けどなんか…あ、眼帯が右にある!」
先ほどしっかりと顔を見たはずなのに今ごろになって前会ったクリスタトスと今いる彼女との違いに気付いた。
そう。眼帯が違うのだ。前は左眼を覆っていたものが、今度は右にある。そして左眼はタイツを敵意を込めて睨んでいる。
見た目はどう考えてもクリスタトスだ。だが何というか、漂っている雰囲気がまるで違う。口調もちょっと違うし、妙だ。
「――別人?」
「私は貴方なんか知らないわよ!早く離して!んでもってその汚らしいポークビッツを奥にやってよ!」
「ぽ、ポークビッツだぁ~ッ!?このクソアマ…味を見てやる!」
ベロォリ…タイツが舌を突き出してクリスタトスの顔を舐める!「ぎゃ~っ」という悲鳴が廊下に響く…
「この味は……嘘をついている味だぜ!お仕置きだ!(ゴソゴソ)」
そう言いながら彼女の浴衣を脱がして、接触を第2段階へ移行しようと試みるタイツ。一方、クリスタトスは半狂乱になった。
「ひゃあっ!汚い!汚らわしい!下劣!変態!変態!」とタイツを次々に罵る。嘗められたのがとても気に障ったようだ。
「―――兄さん、彼女は嘘なんかついていませんよ」
と、ブロフェルドの声が後ろから聞こえてきた。彼女はいつの間にかタイツのすぐ傍まで追って来ていたのだ。
「ああ。嘘だぜ。だが入り口は定まったようだn…「やめんかド変態ッッ!」
ガツン!ブロフェルドより遅れてやってきたミユキが独断でタイツの動きを悪行と決め付けてダッシュキックを放った!
「ぐふっ!な、何気に効くぅ」
タイツは後頭部に35のダメージを受けた。ミユキは3の経験値を得た。
しかし、逆効果。刺激を受けてタイツのYAMATOがピクリと動き、少しだがクリスタトスの下腹部に触れた! …ツン!
それを目の当たりにした彼女は「ぎゃあああッ!」と今にショック死するのではと思う程の悲鳴を上げた。


370 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:32:32 ID:k7Nqd56k
「へ~っ。この人もクリスタトスって言うんだ。それにしてもキャラが違いすぎるんじゃない?」
タイツの下敷きになってキャーキャーと悲鳴を上げ続けるクリスタトス(浴衣Ver.)を見てミユキは首を傾げる。
さっき倒したスカラマンガの言葉が思い出されるが、目の前の彼女を見ると何か違和感があるのだ。
仕方なく、訳知り顔のブロフェルドに目を向ける。彼女は何か気まずそうな雰囲気をかもし出していて非常に気になる。
「え~っと、ネタバレ希望」
そこで"キボン"と言えない辺りミユキ嬢もまだまだ甘い。
「…クリスタトスはまだ死んではいない。その言葉は正しいんですよ。姉さん…」
ブロフェルドは至極マジメな顔つきで呟く。ミユキはちょっと焦れてしまった。この先に、何があるというのだろう?
「はぁ?…でもさっきのあの女は確かに死んでたぜ?…よいしょっ」
タイツはブロフェルドの方をちょっとだけ見てから、すぐに視線をクリスタトスに戻した。ついでに腰の位置を調整する。
準備万端。いつでも突くぜ、の意思表示である。
「ぎゃーーーッ!」
この世の地獄を垣間見たかのような絶望に塗(まみ)れた表情でクリスタトスが叫びまくる。涙を流して喚く様はどう見ても被害者だ。
「そろそろスレ違いじゃないの!?この内容なら"女悪役を捕まえて~"のスレで…」
だがタイツは取り合わない。すでに呪われた魔剣はクリスタトスの桃色の裂け目への突入を開始しようとしている。
「はああっっ!?だ、ダメ!それ駄目!だめ!DAMEーッ!」
それまで以上に暴れ狂うクリスタトス。半狂乱とも取れるその様はまさに"必死"の様相を呈している。
「観念するんだな!俺が女戦闘員を犯す、と決断した時には―――既に行動は終わっているんだぜ…」
ずぶり。タイツは最初から彼女の言葉に耳を傾けてなどいない。慣れた手つきで速やかにゲイボルグを挿入する。
そしてホンの少し、動きを止めたタイツは、そのまま迷うことなく腰に力を入れ、奥へと突いた。
「―――あっ。………がっ!だ、駄目って、言った、の……に…」
タイツのブリューナクによる強引な攻めは激しい痛みを伴ったようだ。交わった部分から血が流れた。
彼女はそのまま諦めたかのように脱力し、その場にダラリと伸びた。
「へっへっへ。気絶しちまいやが――「こ、この性犯罪者がッ!」
バキッ! 般若も裸足で逃げ出す修羅の面相をしたミユキが容赦なくタイツの横っ面をグーで殴る。
会心の一撃!タイツに128のダメージを与えた!8の経験値を得た。
…ミユキはレベルが1上がった!成長させるパラメータを選択して…「やかましいっ!」
ミユキは何処へともなく一喝。不思議なナレーションは消え去った。
「ちょっとタイツ!いくらなんでもやり過ぎでしょ!?この女もさっきとはまるで別人みたいだし、ちょっと拙いんじゃ…」
と、そこまで言ってミユキがピタリと動きを止めた。その目線はタイツの下半身に集中している。見る見るうちに表情が引きつる。
「ま、拙いんじゃない、の…?」
その視線はタイツとクリスタトスの結合部分を直視している。タイツも視線をそこに移してみた…すると、
なんと繋がっている部分に黒い靄(もや)がかかっているではないか!エロゲでもあるまいし!タイツは慌てて精器を離した!
ぬるっと抜ける時の剣!だが黒い靄は付き纏うようにその邪聖剣を覆う!見る見るうちに黒化し、ドス黒いデスペニスが爆誕した!
「って…ぎゃー!なんじゃこりゃー!お、俺の、俺の、え~っと……タマタマがぁ~ッ!」
「言うに事欠いてそれかよっ!…って冗談じゃないわ!汚らしいブツがさらに黒く塗りつぶされて、更に不気味!」
「不気味とか言うな!俺の商売道具が…じゃなくて正義の肉棒が…」
南半球に住む方々でもここまで黒くはあるまい!ってほどに黒く変色していく金玉。じょじょに形も曖昧になっていく。
「ぬぅォォおおおああああぁぁぁあぁぁああああああ~~~~ッっッッ!?!?!?!?!?」
その異様な変化を前にした当のタイツはこれまた奇妙な声で嘆き悲しむ。なんとかしようと股間を手で押さえつけようとしたが、
なんと、手が男根をするりとすり抜けるではないか。まったく手応えがない。タイツの巨根からは当たり判定が失われていた!
「なんたる、なんた~るアンタッチャブルぶりりりり……あばばばば~」
「ちょっ……落ち着きなさいよ!バイドクでも回って狂ったの!?」
ミユキは「見てられない」とタイツを抑えようとしたが、彼は全く言うことを聞かない。
さしものタイツも混乱を禁じえない。何度試しても触れることすら敵わない。手は虚しく空を切る。ペニスは不気味に蠢き続ける。



371 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:37:18 ID:k7Nqd56k
未知の性病に犯されたタイツのゴリアテ。黒い不定形の塊と成った"それ"は肉棒であった面影すらない…
「ふ…ふふふふふ」
その時、不気味な声が響いてきた。タイツの真下にいるクリスタトスが発している笑い声だ。
見ると、クリスタトスが以前のクリスタトスと同じように冷笑を浮かべている。
メダパニにかかっているタイツに代わってミユキが彼女と睨みあう。
「あ、あんた気絶したんじゃ――」
「私はこの時を狙っていたのよ。お馬鹿さぁん」
そう言って右の眼帯を外すクリスタトス。そこにはやはり、左の黒い瞳とは全く異なる金色の瞳があった。
「――"淫毒"のクリスタトス。"血風"に成り代わり、今ここでタイツの命を絶つ!」
カッと目を見開いて宣言するクリスタトス。やはり先の"血風"とは別人、ということで間違いないようだ。
「……随分と、身体を張った毒壷だなぁ。おい」
全身汗まみれで毒づくタイツ。股間はそうしている内にも肥大化と縮小化を繰り返し不安定に変化し続けている。
「ふふふ。ボウヤの性格なら絶対に食いつくと聞いていたからね…まさか押し倒されるとは思ってなかったのだけれど」
"血風"とは微妙に違う発音の『ぼうや』扱いにムッとするタイツ。そんな彼を冷ややかに見つめるクリスタトス。
出会った時の彼女の反応は調子に乗りやすいタイツをうまく乗せるための演技だったのか?と疑問に思うミユキの心を読んだのか、
クリスタトスはニヤニヤと笑って無言でその疑問を肯定した。ミユキは思わずドキッとしてしまう。
「不思議そうな顔ねぇ。貴女って顔に全部出てるから分かり易いわぁ」「姉さん、バレバレです」
何故かブロフェルドにまで指摘されてしまう。居た堪れなくなったミユキは肩を落として項垂れてしまう。(´・ω・`)ショボーン
クリスタトスは仰向けになったままなので引っくり返ったカエルみたいで非常に格好悪い。しかも完全に無防備だ。
これならあたしでも倒せるし、ブロフェルドなら一撃なんじゃね?と、凹みながらも思うミユキ。だがまたしても"読まれた"…
「私を倒すなら倒せばいいわ。でもタイツはどうなるかしらね…」
「は? こいつの命なら惜しくないんだけど」
「おい…(泣)」「姉さん…」
珍しく優位に立てて図に乗るミユキ。思えばタイツは宿敵だったし、どうせ死んでも死ぬ"タマ"じゃないし~。
「殺れるものなら殺ってみなさいよ。そんな無様な格好で調子付いてるアンタなんかにこの変態を倒せるもんですか」
はっきりと、宣言する。タイツの股間の変容は確かに禍々しくて恐ろしい。だが、多分コイツは倒れない、という確信があった。
「うふふ…なんてお馬鹿さん。ならさっさとやっちゃいましょ。―――其の内に潜むほの暗き黒を解き放ちたまへ」
勝ち誇ったように言うクリスタトスは歌うように呪文を唱える。するとどうだ。タイツの下半身がピタリと動きを止めた。
屹立した黒い塊がピクッと痙攣して、これもまた動きと変化を止めた。そのお陰で、タイツは少し余裕が出てきた。
「うっ!イクッ!?」
「――ちょっと黙ってなさぁい…今、ボウヤの中の混沌を引きずり出してあげる。貴方はアナタに喰われるのよ…ふふふ」
爛々と輝く瞳でタイツの下半身の黒に、まるで何かを命じるかのように熱い視線を送り続けるクリスタトス。

「現出せよ黒き黒!この塵芥が汚らわしき肉を触媒にし、己が主の血肉を喰らいその同類をも等しく死に至らしめよ!」
クリスタトスが高らかにそう告げると同時にタイツの股間が異様に萎縮したかと思うと、次の瞬間に大幅に膨張した!
「どおぅうわああああああああ!ち、ちびる~~~…って、ちびろうにもチンポがこれじゃあなぁ…」
自分の事なのに危機感が足りないタイツ。一方ミユキは…
「ああ!やっぱりあたしたちも狙われてたんだぁ~!」
などと今さらながら慌てていた。


372 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:40:19 ID:k7Nqd56k
ぐごごごごごごごご……岩が軋むような重厚な音がタイツの股間の黒から発せられる。
その形が徐々に指向性を持ち始める。なにか、ある形に成ろうとしているのが傍目から見ているミユキからでもはっきり分かった。
「ちょ…止めなさいとタイツ!」
「あ~?触れないのにどうやって止めるんだよコノヤロ~!」
「アンタそれでも正義の味方なの!?手が駄目なら心で念じて止めなさいよ!」
「無茶言うなこの…うわっ!」
ミユキとタイツが口論している間に股間が更に変化を起こす。先端が三つに分かれ始めたのだ!
「うおおおおおお!三つ又!これでこの場にいる3人を犯してやる~!」
ヤケクソで吼えるタイツ。あまりに見事な開き直りっぷりなのでその場にいた女性陣が一斉に引いた。
「くっ。ふふふふ、虚勢を張っても無駄よ。この後でどうなるかは私にも分からない。けど貴方は確実に喰われるわ!」
カッと目を見開くクリスタトス!…だが――――その時、彼女らの脳裏に"直接"声が響いた!

"我はダーク…ダーク・ファルス。死と破壊の権化。闇を生み出す者―――"

それは男とも女とも取れない奇妙な声だった。機械での合成音声にも聴こえる…
タイツもミユキもブロフェルドも、クリスタトスまでもが狼狽して辺りを見渡す。が、気配は無い。
考えられるとしたら、唯一つ。
「なんだ! これは?! とてつもなく まがまがしいちからを かんじる!」
突然、棒読みで叫ぶタイツ!その眼前で、黒いイチモツが急速に形を成す。3つに分かれていた先端が、明らかに頭と両腕になった!
それらはとても暗い青色の肌へと変色する。顔は微妙に"男根"を思わせるシルエットを残しているが眼や口が現れ、不気味に変じる。
現れた眼は白く、光すら放つ。口には鋭い牙が並び明らかに肉を食い千切る獰猛さが如実に現れている。
両腕は頭よりも太く、筋肉繊維と管と骨とが複雑に絡み合った凶悪な姿をしている。その先には当然のように爪が備わる…

"ハッハッハッハッハ!ようこそ じゃあくのわな パンドラのはこへ!"

声は段々と遠くへ去っていく…その代わりにやってきたのは――ー文字通り、死と破壊の権化のような禍々しい呪われた巨躯だった…
"そいつ"は恐らく声の主なのだろう。だが今のそれに知性は感じられない。ただただ、凶暴を形にした怪物がそこにあるだけだ。
それを目の前にしてクリスタトスは勝利を確信する。なんと恐ろしい姿だろう。が、その闇におこのタイツは喰われるのだ!
「ははは…これがボウヤの心の闇…気持ち悪いわ。さぁ、自分の主…汝が根元…タイツ仮面を食べてしまいなさ―――きゃあっ!!!」
自信満々でタイツを指差して怪物に指示したクリスタトス…だが、

その丸太のような腕で薙ぎ払われたのは、彼女の方だった。


373 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:41:41 ID:k7Nqd56k
廊下の床をズザァッと滑る裸身。怪物――ダーク・ファルスに吹き飛ばされたクリスタトスだ。
前のクリスタトス同様に……彼女もまた、思惑通りに行かない現実に直面してしまっていた。
「ば、ばばば馬鹿な!?」
クリスタトスが驚愕の声を上げる。吹っ飛ばされただけで怪我は無いが、浴衣は完全に剥がれ、全裸となっていた。
「"馬鹿な!"は俺の台詞だぜッ!なんじゃこりゃあ!お前なにをしやがった!?!?」
「わ、私はお前の心を具現してやっただけよっ!!それが…な、な、なんでこうなるの~!?」
彼女自身、計算外だった。自滅するはずの業が、今は彼女を追い詰めてしまっているのだ。
そのうろたえる様にミユキは既視感を覚えた。確かタイツが"前の"クリスタトスの洗脳を無視して暴れだした時もこんな感じだった。
やっぱり同一人物(?)なのかなぁ、と思うミユキ。が、今回も労せずして勝利を掴めそうな、そんな予感がした。
一方、もはや『怪物』と称するしかない物体に成長(?)してしまったタイツの『男』。その姿に、股間らしき面影は残っていない。
黒々として禍々しい輝きを放つ肌をした"そいつ"はクリスタトスを跨(また)ぐ形で両腕(!?)を降ろした。
"ズズン!"とその巨体に似合う重厚な着地音。タイツの股間からこのような巨大な怪物が生えるとは…ミユキは目眩を覚えた。
「ああ…遂に怪物のカテゴリーに飛び込んだわねタイツ」
「なっ!何を言う!というか、クリちゃん2号!お前この変容が俺の心の闇とかいったな!?嘘だと言ってけれ!」
「ぐわあああおおおおおおお~~~~!!!!!」
必死で弁解を求めるタイツの声にこたえたのはクリちゃん2号ではなく、自身から身を生やした怪物だった。
地獄の底から聞こえるとはこんな感じか、と実感できそうなくらい現実からかけ離れたボイスを発するタイツの槍。
「ちっが~う!断じて違うどー!こんな恐ろしげな姿が俺の心の化身だというのかぁ~!」
「ぎゃおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「やめろ~ッ!そんな、なんとなく"そうだよ~ん"って言ってるような咆哮を挙げないでくだちい~っ(泣)」
涙がちょちょ切れる思いのタイツ。一方、股間のダークファルスは涎(!?)を垂らしながらクリスタトスに頭を近づける。
明らかに、狙われているのはタイツでなくて…クリスタトスの方だった。彼女はそれまでの態度から一変して恐怖におののく。
「ひっ!あひっ!!そ、そうだ!これは夢!夢よ!」
急に何かを閃いた!といった具合に開眼するクリスタトス。
「そう!これは夢!!そうに違いないわ!仮にも"正義の味方"の、汚らしいクソが……魔獣みたいになるなんて!!」
その場の状況にそぐわない、壊れた笑顔。狂ったのかとミユキもタイツも思ったが、真相は分からない。
「あは、あははは―――」
実際のところ、彼女は正気だった。前の彼女もそうだった。これが彼女達の素なのだ。危険な時、自然と――笑みがこぼれる。
だが…それで眼前の脅威が取り払われるわけではない。怪物ダーク・ファルス。"暗黒のイチモツ"が大口を開く!
「――あはは、あははう、うは―――――は…………い、いやあああああああああ!!!!!!!!」
「ぐぎゅゅゆゆわわわああああああぁぁぁぁぁあぁぁぁあああぁぁぁぁぁ~~~~~ッッ!!!!!」
笑いから一転。無様に悲鳴を上げたクリスタトス2号の声を、ダーク・ファルスが大口を開けながら発する叫び声がかき消す…

ばぐんッ!

彼女は、そのまま頭から覆い被さられる形でダーク・ファルスの口の中に吸い込まれていった。
「―――――ッッッ!?!?」
しかしまだ、クリスタトスの腰から下が口からはみ出ている。脚でジタバタともがき、丸出しの尻がぶるぶる震える。
だが、抵抗も虚しくダーク・ファルスが顎に力を込めた瞬間、「バギッ!」という派手な音と同時にその動きが止まった。
だらんと力なく垂れる両足。股間の辺りからはチロチロと小さく水の流れる音がする。
そして怪物が顎をしゃくらせて残った下半身を飲み込み終えた時――クリスタトスはこの世から完全に消えていた。


374 :名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 00:01:14 ID:k7Nqd56k
「( ゚д゚)ポカーン」「( ゚д゚)ポカーン」「( ゚д゚)ポカーン」
"淫毒"のクリスタトスの、あまりにも呆気ない幕切れに3人はただただ呆然としていた。
それでも目の前には元・タイツの男根だった暗黒のイチモツがそそり立っている。
そいつは獣並みの荒い息遣いでグフーッ!グフーッ!と灰色の息を吐き出している。その息がまた、実に身体に悪そうだった。
「ダーク・ファルス――異界の"憎悪の具現"が、どうして兄さんの…おチンチンから出てくるんでせうか?」
「知らないわよ…なにこの人食いチンポ」
辛うじてショックから立ち直ったブロフェルドは答えを期待していなかったのか、「はぁ」と溜め息をついた。
「お前ら…もろに"チン"って言うな。これまで散々オブラートに包んで表現してきた苦労が水泡に帰すだろ」
「それも知らないわよ。というか、さっさと引っ込めてよソレ…」
タイツの向こうの大きな背中を見るミユキ。なんだかよく分からないが凄く助かった。
と、その時、怪物が振り向き始めた!まさかラスボス戦!?と3人が身構えた…刹那、その姿は霞のように消え始めた。
黒い霧に包まれたそれは、現れた時とは違いパッと霧散するように飛び散ると、空間に溶けるようにして消滅する。
圧倒的存在感はあっという間に去り、元の男根に戻ったタイツのそれはペロンと力なくその場にへたり込んだ。
「( ゚д゚)…… (゚д゚)あれ?」
「こっち見ないでよ」
タイツは自分の股間を触りながら不思議そうに首を傾げる。あまりに下品な光景にミユキは視線を逸らした。
「呼び出した本人が死んで、具現化する力を失ったんですね…」
額に浮かんだ汗を手で拭ったブロフェルドは、冷静にそう解釈した。

その瞳は…いつの間にか脱出していたのであろう"金細工の脚付き目玉"の逃走を見つめていた。


















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