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作者:四代目スレ77氏(mogeさん)
投稿日時:2007/07/17(火) 03:01:44
備考:絵師さん自ら絵とSSを書かれました。こんなに鍛えたのに・・・


77 :名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 03:01:44 ID:vBuIC263
首に何かが絡みつく…軽い浮遊感の直後、一瞬彼女の意識が飛んだ
カンっ…という軽い金属音が彼女を現実へと引き戻す
最初に理解したのは、金属音の正体が地面に落ちたナイフであるという事
次に理解したのは、何者かに不意打ちを受けたらしい…という事

全てを理解した時、彼女の体は宙を振り子のように揺れていた
それはまるで絞首刑のような状態だった…
首の骨が軋む。鍛え上げた筋肉が無ければ、とっくに頚椎はバラバラに外れていただろう
気道は完全に塞がれている
呼吸が出来ない…とにかく呼吸をしなければっ!
必死に首に巻きついた何かを掴もうとするが、まるで手応えを感じない
そこに何かは在る。が、極めて細く、油でも塗られたかのようなソレは掌の中、只々虚しく滑るだけだった


体が小さかった彼女にとって、努力だけが武器だった
小さいからこそ、他人の何倍も努力しなければならなかった
そして結果手に入れた強靭な筋力…
(体の大きさなんて関係ない!この力さえあれば…)
今、この瞬間まで彼女はそう信じ込んでいたのだった

単純に真上に引き上げられる力の前に、彼女の筋力などまるで意味を成さなかった
致命的に体重が足りない…
宙釣りにされ全ての支点を失った今、彼女は正に陸にあがった魚だった


次第に焦りと恐怖が彼女の体を蝕みはじめる
胃の内容物が逆流してくる。が、食道を圧迫されたソレに行き場は無い
体内を駆け回る嘔吐物。灼けるような胃の痛み。
それに呼応するかのような激しい全内臓の痙攣…
大きく開かれた口から、濁飲できぬ唾液がダラダラとこぼれ落ちる…

(ナ…ナイフ…ナイフだ…)
薄れ行く意識の中、彼女はすがるようにその存在を思い出す
どこだ…どこに落ちた…?
が、溢れ出る涙と酸素不足から彼女の視力は殆ど機能していない
髪を振り乱し、ありとあらゆる体液を撒き散らしながら、彼女は見えない地面へと手を伸ばした
もはや彼女には、その手が己のヒザにすら届いていない…という判断さえ出来なくなっていた

過去の景色が脳裏をよぎる…
次々とフラッシュのように切り替わる景色の中、ある女の見下すような冷笑が現れピタと止まった
『あんたにゃ向かないよ…なんせ体が小さすぎる』
初めて組織に加わり、そして彼女に叩きつけられた冷酷な言葉…
(…ちが…う…やれる…わたしだって…やれ…やれ…る…ん…)
この景色を最後に、彼女の意識は闇の奥へと落ちていった。
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