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作者:クレイさん
投稿日時:2006/03/31(金) 12:56:48
備考:作中時間は『死のパーティー』から数ヵ月後。


ムニュゥッ!
背後から細い腕がケイトの右乳房を飛び越え左の乳房を鷲掴みにした。
柔らかく豊かな胸が大きく形をかえる。
「キャッ」突然のことに驚いたのかケイトが短く可愛い声をあげた。
「おっと動くなよっ」
少し神経質そうな男の声がケイトの耳元で囁かれる。
背中には筒状のものがきつくあてられた。銃であることはケイトにも容易に想像できた。
「ははっ、なんだい。ぼくが誰か知っててやってるの?」
「ああ、知ってるさブラックレディースの幹部のケイトっ」
その声の主、丸眼鏡をかけて細身の青年は彼女を奪われBLに復讐を誓った零二であった。
「ケイト様をつけてくれなきゃ、プンプンだよっ」
背後からで表情は読めないがおどけたように言うケイトに零二は怒りを覚えた。
「大幹部様だかなんだか知らないが、少しは言葉に気をつけた方がいい。
 どこから、そんな余裕がでてくるのかはしらないが、もうお前は好きには動けない」
零二の手にもおさまりきらない大きく張りのある乳房を強く握り締めながらケイトに云う。
「もう、もっと優しく揉んでよ。あんまり気持ちよくないぞ。
 しかしあはは、なんだかさ、か弱い女性を脅してレイプしちゃうぞって感じだよね。
 けど、驚いたよ。ホントにピクリとも動けないや。
 ……となるとなんか資料でみたな。ああ、そう新宮零二でしょう」
どこまでも状況を理解していないかのようなセリフがケイトの口からあふれだす。
「ま、こんな血生臭い場所じゃなければ、お前の言葉も少しはうなづいてやるよ。
 それと、答えるつもりもなかったが正解だ。しかし、あれだな僕も有名人になったもんだ」
四角く縦横20mほど、天井までも8mはあろうかという高さをもったコンクリートむきだしの空間。
誰もいないが天井近くの横壁にガラス張りの部屋を観察できるような部屋があることから、
実験や処刑などに使われているのかもしれない。
零二はそう思う。そして後者は非常に説得力を持っていた。
この空間に大小あわせて百以上の肉片が地面に転がっていた、その間を埋めるのは血、血、血。
およそ十人近い人間だったものがこの死の海を形成している。
慣れていない者であれば、この光景をみれば卒倒するか、吐き続けるかのどちらかだろう。
ケイトは股間と胸(といっても乳首)を黒いベルトで
申し訳程度に隠している以外は惜しげもなく裸体を晒していた。
その裸体は返り血にまみれている。ケイトの白い肌に赤が映えた。
「ふふ、そりゃダークキッドに金魚のフンみたいについてってコソコソしてりゃね。
 嫌でもマークされるよ。ねぇ、ところでぼくだけが唯一の生存者だって考えてくれないのかな」
周囲を確認するためか、落ち着かないのか眼を泳がせながら、ケイトは零二に問いかける。
確かにこの部屋に忍び込んだ時、既に惨たらしい死体の中にただ一人ケイトが立っていただけだった。
しかし、その死体は判別しにくいが多分、女は混じっていない。
そしてケイト自身はたかぶりが極限に達したのか、荒く息を弾ませながら恍惚の表情を浮かべていた。
状況証拠としては十分だし、たとえ誰かがこの惨状をつくりだしたとしても、
BLの幹部として散々悪行を重ねてきたケイトに同情するほど零二は甘くなかった。
「誰がそんなこと信じるか。さっさと地獄に送り込みたいが、
 今回はちょっと用件がある。お前たちがさらったアイドルたちはどこにいる?」
秘密のパーティでの闘いから数ヶ月、その間もダークキッドとBLの死闘は続いていた。
そんな矢先、若手の男性アイドルばかりが何者かに次々と攫われるという事件が相次いだ。
身代金の請求もなし。この事件にBLの影をみたダークキッドと零二は調査の末、
ついにアイドル達が捕らえられているというアジトに潜入したのだった。
「君、馬鹿でしょ。アイドルが攫われました。その秘密基地にきました。
 何故かそのBLの大幹部のまわりには死体が肉の塊となって転がってます。
 これで答えがわからなきゃ、小学生からやり直した方がいいよ」
人を逆なでするような口調で零二を嘲る。そう、零二が薄々感づいていたとおりこの死体は……
「まさか……、お前ぇぇっ」
怒りに身を任せて構えていた銃のセーフティを外し撃とうとした瞬間、ケイトの声がそれをさえぎった。
「慌てない慌てない。これで全部じゃないよ。あと……あの子とあの子と…あの子。
 うん三人は残してる。しかし、よくも他人のことでそんなに怒れるよね。感心するよ。
 うーんとね、ぼく、カッコイイ男の人とか可愛い男の子とか大好きなんだ。
 だから部下に命じて攫ったんだけどさ、こんなナイスバディの女の子が誘ってるのに
 協力的じゃなかったり、いざ本番ってのに勃たなかったり、
 あと、やっぱ下手なのってダメだよねぇ。」
聞かれてないことまでダラダラと喋るケイト。
「で、意のままにならないから殺したって?」
できる限り冷静をよそおいながら、しかし怒りを隠し切れてないままに、零二は確認する。
「正解!けど、ヒントをこんだけあげちゃ答えられて当たり前だよっ。
 そう、ぼくね。自分の思い通りにならないと嫌なんだ。
 けど残った三人はなかなかだよ。顔はもちろんのこと、従順だし、Hも上手いし……
 だから飽きるまでは飼ってもいいかなって」
改造されているので実際の年齢=外見ではないが見た目は十代後半である。
ただその精神性はもっと幼い。しかも、倫理観は欠如し、
常人では何人束になってもかなわないほどの力を持っている。
まさに始末に終えないという表現が似合うのがケイトという女であった。
「もういい、お前が狂ってるってのは十分わかった。
 ああ、他のアイドルのありかなんて言わなくていい。
 このアジトにいるんだろう?あとでゆっくり探す。
 いやダークキッドがもう見つけているかもしれないな」
うんざりしたように零二はケイトにたいしてつぶやく。
「あれぇ、そっかダークキッドもきてるんだ。ま、ザコの君だけじゃ辛いよね。
 よく、この実験室まで来れたもんだと思ってたんだ。フフッ、けどチャーンスッって感じ。
 今度こそダークキッドをやっつけてやる!!」
あの秘密パーティでの闘いの後、BLの陣頭指揮にたったケイトは幾度かダークキッドと対峙し、そのつど辛酸をなめてきたのだ。
「もうダークキッドに会うことはない。お前は今からここで死ぬんだ。」
床に死体の他にゴロゴロと刀や槍、斧といった武器が転がっていた。
零二は爆乳に握りしめていた手をケイトの後ろの首筋にずらすと、能力である『あやつり人形』で、
そのなかの刀をケイトの毒々しいまでに赤いマニキュアが爪に塗りたくられた手に握らせる。
「さぁ、彼らを殺したその刀で自らの腹をかっさばいて苦しんで死ね。」冷たい零二による死の宣告。
「えーやだ。嘘ーっ。本当に身体が勝手に動くー。ぼくまだ死にたくないよー」
ケイトの右腕に持った刀がまさに自分の腹に吸い込まれんとするのに、
その言葉は棒読みで、危機感がまるでない。
「ふふ、ぼくの身体は自由にできても、心までは自由にできないんだから!」
どこかで聞いたようなドラマじみたセリフとともに、刀がバラバラに、
何かあればすぐにでも撃てるように構えたいた銃も同じくバラバラにされ、
そして、零二の身体がこんどはピクッとも動かなくなった。
そして首筋を掴んでいた右手首がポトリと落ちた。
「な……にっ」肉体の痛みよりも先に驚きが零二の心に去来した。
『あやつり人形』の呪縛からとけたケイトは
クルッと迫力のあるバストを揺らせながら零二にむきなおる。
ボリューム満点の乳房をギュウギュウにベルトで締め付け大きな谷間ができた胸、
細い腰に、きわどく割れ目だけを隠した股間、スラッとのびた足。
改造しただけでは修正不可能なプロポーションの女が
腰に手をあて全体的に猫を思わせるような顔に勝ち誇ったような笑みを浮かべて零二をみつめていた。
「ふふんっ、一度言ってみたかったんだよね。さっきのセリフ。
 なんか、ちょっとシチュエーションが違う気もするけど……」
「どういう……ことだ」
手首から血がドクドクとあふれ出る。かなり鋭利なもので切り落とされたのか痛みはそれほどでもない。
「だからぁ、いったじゃん心は自由にできないって。君の能力ってさ欠点があるんだ。
 心は支配できない、つまりぃ、サイコキネシスとかいわゆる超能力の類には全然意味ないんだよね。
 君も知ってるでしょ?上級戦闘員以上はなんらかの能力が付加されるって、
 まあ脳をイジッた人工的なものが大半で、生まれつきの『超能力』ってのじゃないけど」
「くっ」確かに知っていた。いつもなら警戒している。
しかし、数度のダークキッドとの戦闘でケイトがみせたのは強化され伸長自在の爪を武器とした超高速戦闘。
直接みたわけではないが、ダークキッドからの情報から
一時的な超加速こそが彼女の能力と読んでいたのだ。零二の致命的なミスであった。
「くやしいが僕の負けだ、殺せ」
身体は動かない、そして手首からの出血。
たとえ放置されても失血死はまぬがれない。零二は覚悟を決めた。
「あれぇ、命乞いもしないんだ。なんか拍子抜けぇ」
どこまでも人を喰った物言いでケイトはつぶやく。
そして、じっくりと零二の顔をみつめた。
「うーん、君って資料の写真よりずっといい男だねっ」
そういうなり、大きな胸の谷間からリモコンのようなものを取り出し、
いくつかボタンを押すと地面から肉片を血をかきわけて鉄柱が一つせりあがってきた。
零二は身体中に鋭利な刃物で切られるような鋭い痛みが走ったかと思うとひっぱられるように、
鉄柱に背中からぶつかる。衝撃とともに背中全体に鈍い痛みが広がる。
「グハァッ」
そして今度は全身の痛みから足首と手首だけの痛みにシフトした。
相変わらず動けないが今度は全身を締め付けられているというより、
足首と手首-右手は失った手首の少し手前あたり-の部分を鉄柱に縛り付けられたような感覚がある。
「うーん、まだ上手く調整できないなぁ。まぁ大丈夫でしょ、カット」
意味がその時の零二には掴めなかったが、ケイトの能力に何か関連するものだという推測はできた。
よくケイトをみれば、さして運動もしていないのに全身にびっしょりと汗をかいていた。
それが、彼女の姿態のやらしさをより強調していたが、そんなことよりも……
零二の思考はそこで中断された。いつのまにか肌と肌が触れ合うほどにケイトが近づいていたのだ。
「ねぇぼくとHなことしようよ。君っていい男だしさ、 実はさ、こいつら殺してからすっごい興奮してんだよね」
猫のような顔にニヤニヤと笑みを浮かべながらケイトは言う。
理解できない言動に零二は自由になった首を横に小さくふりながら、「断る」と短く言った。
「もうーいけずぅ。ってまぁ予想通りなんだけどね。
 君のいうことなんて関係ないんだよーだ。ぼくがやるっていったらやるんだよ」
「ふんっ」
鼻で笑うと唾をケイトにむかって吐き捨てる。下衆な女へのちょっとした抵抗であったが、
なにより、こうすれば怒りに我を忘れて自分を殺すだろうという計算であった。
零二の唾はちょうどケイトの左頬にあたった。
「ふーん、そんなことしちゃうんだ。」ケイトの顔から笑みが消える。
「さぁっムカついただろ。さっさと殺せよっ」
数秒の沈黙、そして……こらえきれなくなったのかケイトが腹を抱えて笑い出した。
「あは、あははははっ。すっごくいい男だよね、君は。惚れちゃいそうっ。
 ぼくね自分の思い通りにならないこともすっごく嫌だけどね、
 それよりも人が嫌がることをするのはもっと好きだし、そっちを優先することにしてるんだ」
零二の表情が蒼白になる。それは失血のせいではなく、
自分が一番恐れていたことをケイトが実行にうつそうとしているからである。
「君さ、人質になるの怖がってるんでしょ。
 ダークキッドに迷惑かけるなら死ぬーみたいな。うるわしき友情ってやつ?」
「くっ」
「図星なんだぁ。うんうんぼくの勘ってすごいよねっ。」
人をおちょくるのが何よりも好きなのだろうケイトは表情をコロコロ変えながら自画自賛する。
(ダークキッド……後は頼む)
そう心のなかでつぶやくと、零二は舌を噛み切ろうと口を大きく開けた。
舌を大きく突き出した口にケイトの左手が突っ込まれる。
ガキッ
手を突っ込まれて、ガキッは普通ない。
しかし、零二が思い切り噛んだケイトの指は肉というよりは金属だった。
強化した伸縮自在の超硬質の爪を収納しているのだ、無理はなかった。零二の歯が欠ける。
「いったーい。女の子の手を噛むなんて野蛮っ」
ニヤニヤとした笑みは崩さす、そんな軽口をたたく。
「君たちってさ……まぁBLに逆らおうなんてそんなにいないけど。
 何でそんなにワンパターンなわけ」
本当にしょうがないなぁなんて感じにケイトがつぶやくなり、
右手で器用に股間を隠すように巻いていた黒色のベルトを外す。
ベルトから毛がみえないように鋭角に剃られた薄い毛が特徴的な陰部が露わになる。
汗か、はたまた淫らな水か。その毛は濡れ、湿っていた。
ケイトは左手を抜くと同時に、そのベルトを零二の口に押し込む。
皮のにおい、汗のにおい、小水のにおい、そして淫水のにおい。
それらの入り混じった独特のにおいが零二の鼻腔をくすぐる。
そのままベルトは頭部を一周し、簡易の猿轡になった。
「これでよしっと。手間かけさせてくれちゃって。 さぁ、ダークキッドがくるまで愉しもうね、人質さん」
自殺さえも不可能になった零二にもうなす術はなかった。

***

胸元がV字に開いたボディラインが否応にもでる密着型の黒いボディスーツに
身を包むBLの下級戦闘員が扉の前に立っている。
少し太めの身体のせいか、スーツからはみでた大きな尻がたるんでいる。
胸も巨乳ではあるが左右で少し不揃い。顔も不美人というわけではないが決して美人ともいえない。
ただ、それが逆にいやらしさを醸し出しているといえなくもない。
齢は二十代前半ほとんど整形もしていないようだ。
ただ、肉体を多少強化しているだけだろう。下級戦闘員といってもいくつかのランクがある。
BLは女が追求してやまない「美しさ」を餌にして構成員を釣る。
最初からその「美しさ」を与えてしまえば、裏切る危険性があるからだ。
貢献度に応じて、身体的な「強さ」が強化されるし、「美しさ」も与えられる。
特に『若返り』と『不老』は幹部クラスの貢献によって与えられる最上のものだ。
世界を支配せんとするテロリスト集団にもかかわらず、
上級戦闘員に与えられる特殊能力を含めた「強さ」よりも「美しさ」を望むという彼女たちの姿勢が
皮肉でもあり、ダークキッドはじめ対抗する者たちのつけいる隙でもある。
その下級戦闘員は入会したてであった。その初仕事が今回のアイドル拉致である。
TVで観るしかなかったアイドルを拉致監禁し嗜虐の限りを尽くせる。
最初は少し良心が咎めたが、彼女は自身の昏い欲望が満たされていくのがわかった。
マネージャーには用がないので殺せと命じられたので、
豚のような悲鳴をあげて命乞いをするでぶっちょの中年男を見下ろし、鉤爪で少しずつ痛めつけた。
生殺与奪の権利をすべて自分が握っていると感じ、興奮した。
逃げようとする男の背中を尻から真上に切り裂き殺したときは少しイってしまった。
あとはBLのために働き、コンプレックスのあるこの身体を少しずつ美しくしていくだけ。
「ふふっ」
自然と下級戦闘員の口から笑みがこぼれる。その口が背後から何者かに押さえつけられた。
「ふぅんっんんん」
声にならず、荒い鼻息を漏らす。
お尻の割れ目に食い込ませるように、
金属ではない何か生体的なイメージを持った鋭利な刃があてられていた。
(何、こんなの聞いてない。やだやだ、ひぃぃぃっ)
背後にいる男はダークキッドであった。
この下級戦闘員はBLに抵抗する最大の敵である彼について知らされていなかった。
そして、おのれを殺す死神の正体がわからぬまま、彼女の人生は終わる。
右腕から飛び出たダークキッドの刃が彼女の肉感的で重量感のある尻から背中までを切り裂く。
血をほとばしらせ、白目をむきながら倒れこむ下級戦闘員。
「いやぁっ……」最後に小さくそうつぶやき彼女の意識は闇に消えた。
(見張りがいたということは、この部屋には何かあるな)
周囲に戦闘員がいないことを確認したあと、ダークキッドは聞き耳をたてた。
三つのベッドがあった。それぞれのベッドの上には裸で抱き合う男女。
いや、女は全裸が二人に、一人は女は赤いスーツを着込んだままだ。
いずれも今の体位は騎乗位。女がSEXの主導権を握っているのは間違いない。
男は三人ともタイプは違うものの整った甘いマスクをしている。齢は十代後半から二十代前半。
攫われたアイドルに他ならなかった。いずれもその表情は疲労の色を濃くしている。
「はぁんいいよぉ、最高ぉぉぉっ、あのSOG-GANの史徒崎君と犯れるなんてぇ」
上級戦闘員であろう赤いスーツの女が叫ぶようにいうのは
人気アイドルグループとそのメンバーの名である。
「あふぅん、もっと、もっとお乳をきつく揉みしだいてぇっ」
「はぁんっいいのぉいいのぉっ」
全裸の女二人-脱ぎ捨ててあるスーツをみれば黒いので下級戦闘員だとわかる-も負けずに、
性の営みに没頭している。戦闘員達が交代する十数分の休みが数回あっただけで、
ほぼ十時間近く男たちは犯されつづけていた。しかし、もちろん拒否はできない。拒否すれば、
殺されるかどこかに連れ去られることはこの男たちには嫌というほどわかっていたからだ。
もちろん衰弱死や腹上死の心配はない。事後は強力な栄養剤を注射器で打たれる。
改造も可能な医療設備はどんな大病院もかなわないほどオーバーテクノロジーのかたまりだし
たとえ脳出血や心停止で倒れようと大丈夫。そして、何よりも幹部のケイトのお気に入りの三人だ。
少なくともその部下である戦闘員の気まぐれで殺されることは決してない。
だからといって、永遠とさえ思える性の狂宴に彼らの精神がどこまで持つかはわからなかった。
「隊長はぁんっ、けど……なんでぇぇん…服脱がないん…ですか、
 それだと、はぁもっと弄ってぇ、挿れられないんじゃ……はぁんもっと突いて突きこんでぇぇぇぇっ」
質問と喘ぎが重なり、少し意味がとれないようになりながらも下級戦闘員は上級戦闘員に問いかける。
その間も少し小ぶりの乳はじめ身体全体を上下に揺らしながら会陰にいきり勃った男の一物を咥えこみ、
四度目の絶頂に達そうとしていた。
「はぁ、はぁっ、あんた達のと……ふぅん……違ってね、これは特注なのさ…ふわぁぁぁん、
 もっとぉ大好きだよぉ。史徒崎くぅん。股間の…まわりが…ものすごく柔らかい素材でできててね、
 そのまま…はぁっはぁっ挿れることもできるし、ま、コンドームみたいな……もんさねぇぇぇえいいのぉ。
 あと、なんか……知らないけどね……この格好のままのほうが…興奮するの、史徒崎君もそうでしょ?」
彼女にとっては君までが固有名詞なのだろう。三人のなかでは一番の巨乳を揺らしながらそう答える。
スーツごしに大きく勃起した乳首がみえる。外見は三十路前後、スタイルも良い。
もちろん、生まれたままの身体ではないだろう。
ただ、既存の整形技術の数段上の手術のため、素人目には天然と何もかわらない。
そのことも悪魔に魂を売ってまでBLへの入会がやまない理由でもある。
問いかれられた二十前後の青年は朦朧としているのか、虚ろな表情のまま「はい」と答える。
喋ることで興奮が少し覚めたのか、いやらしい笑みを浮かべたと思うと
覆いかぶさるように史徒崎に抱きつき彼の口唇に今日十数度目の舌を絡めたディープキスをした。
最後の一人、他の戦闘員との会話にも参加せずにSEXに没頭している下級戦闘員は
男を抱え込むように前のめりになりながら、膣に男を迎え入れ、Cカップの乳を執拗に責めさせていた。
「もっとっぉ、もっとぉっ乳首コリコリして、いいよぉっいいよぉっ。
 はぁぁんっ。すっごい、子宮にズンズンくる。身体中が溶けそうだよぉぉっ」
(……やれやれだ)
予想していたとはいえ、ダークキッドは扉から耳を離して首をふり小さなため息をつく。
性奴隷のための拉致および監禁。BLの考えそうなことだ。
さて、漏れ聞こえるぶんには少なくとも戦闘員が三人か。どうという数ではないが……問題は……
足元で死体となった下級戦闘員からアイマスクを奪い、顔につける。
(まぁ、ないよりはマシだろう。さて、あとはスピード勝負だ……3、2、1)
バァンッ
扉が盛大に開け放たれた瞬間、ダークキッドが駆け込み、まず一閃。
「イクゥゥゥゥゥッ!!」
のけぞりながら、絶頂を迎えた上級戦闘員に質問をしていた下級戦闘員の首が、
顔に法悦の表情を浮かべたまま勢いよく飛ぶ。
「もう少しぃぃ、もう少しでイくからもっとつまんでぇぇぇぇっ」
乳を弄られ、絶頂寸前だったもう一人の下級戦闘員はイくことが永遠にかなわないまま、
背中から胸に刃を突き入れられ、のしかかっていた男に抱きつくように倒れこみ息絶えた。
一瞬、女の背中から刃が飛び出し、男が「ひぃぃ」と情けない声をだす。
最後に扉から一番奥のベッドにいた上級戦闘員は他の二人の始末にかかった数秒の間に
さすがに侵入者に気づいたかベッドの上に立ち上がり、ダークキッドを迎え撃とうとする。
それが彼女の敗北を決定づけた。史徒崎と抱き合い絡み合ったままであれば、
刃が史徒崎を傷つけるかもしれないため、ダークキッドの逡巡を生み、
上手くやれば史徒崎自身を人質にできる可能性があった。
しかし、立ち上がった上級戦闘員はただ無防備な身体をダークキッドに晒しただけである。
上級戦闘員は身につけた特殊能力を使う間もなく、ダークキッドの二つの刃で十字に切り裂かれた。
「ギャァァッァッ」
断末魔の悲鳴とともに血が天井まで勢いよく吹き出る。
上級戦闘員は最期の力をふりしぼり、
ダークキッドではなく、般若の形相で史徒崎によろよろと近づき、
血まみれの胸に彼の頭を抱きよせ「史徒……崎くぅん……」そう言うなり、事切れた。
その言動は彼女の死ぬ間際でも尽きない飽くなき欲望からでたものでしかない、
しかしこの極限状態において史徒崎を恐慌状態におとしいれるには十分すぎる効果をもった。
「ひぃぃぃぃぃぃっ」
上級戦闘員を押しのけると
言葉にならない悲鳴をあげ狂ったようにダークキッドに掴みかかろうとする。
「ちっ」
舌打ちすると史徒崎の延髄に軽く手刀を叩き込み気絶させる。
そして放心状態の二人にむかって言い放った。
「簡潔に言ってやる。俺はお前たちを助けに来た。それだけは確かだ。
 そして、お前らを安全に救うためには、こいつらを殺すしかなかった。」
『何も殺さなくても』命を賭して救ってもそう男たちがのたまうのを何度もみてきた。
何十、何百という罪なき人を殺す悪党であろうと、平和ボケした彼らにはそう言う者たちが必ずいた。
いや、それがひょっとしたら正常なのかもしれない。
おのれが常にBLとの戦場に身を置いていたため狂ってしまっているのかもともダークキッドは思う。
どちらにせよ、今回はこの男たちを助けると決めたのだから
罵詈雑言も甘んじて受けると心に決めていた。ただ、後々人相を警察などに喋られるのは困る。
アイマスクを奪い取ったのは、自分の正体を隠すためである。
とにかく救出の際には混乱されることが一番危ない。
こういう場合は高圧的に事実と次の行動を指し示すのが一番というのが、
ダークキッドの経験則としてあった。しかし、それは杞憂に終わる。
実際に彼らがどう思ったのかはわからないが、何をいう気力もないようであった。
ただ、虚ろにダークキッドをみつめ、その指示を待っている。
「攫われたのはもっといたはずだ。他の人はどうした」
そう問いかけたダークキッドに十代後半のまだ少年と青年の境にいる男が答える。
「こ、殺されたか…残った人はさっき、連れて行かれました。
 なんか最後に実験に使ってやるとかなんとか……」
「……わかった……まずはお前らだけでも安全なところまで連れて行ってやる。
 疲れているだろうが、もう少しがんばれ。」
そういうと、気絶させた史徒崎を抱えて部屋から出ようとする。
「何をしている。モタモタしていると殺されるぞっ」
「は、はひぃ」
彼らの着衣はすでに処分されここにはない。裸のまま二人はダークキッドについていく。
ダークキッドの内心は複雑であった。今回の首謀者である幹部のケイトがいなかった……
さっき、零二と二手に分かれたが、もしあちら側にケイトがいれば零二が危ない。
実をいえば、こんな男たちを助けるよりもダークキッドはケイトとの戦いを優先させたかった。
しかし、零二が攫われたなかに知人がいるとかで、しぶしぶ今回の救出を承知したのだ。
(ふふ、あいつが復讐鬼である俺の唯一の良心かもな……ん)
「おい、安須井というのはいるか」
走るというよりは早歩きで来た道をもどりながら問いかける。
「安須井は……一番最初に……殺されました。お前らは間違ってる早く俺たちを解放しろって……
 あのケイトっていう女に逆らって……」
(やれやれ……あいつの知人だけあるな。正義心が仇になったか)
「そうか……それでケイトはどこにいった」
「だから、さっきいったのはケイトって呼ばれてた人で……みんなを連れて行った奴です。
 ……あの、ところで安須井とはお知り合いなんですか」
「いや……」
そういって会話は途切れた。
ところどころに倒れている戦闘員に男たちはびくつきながらも
ダークキッドからはぐれないように必死でついていく。
(やはり、あっちにケイトがいる可能性が高まったな。死ぬんじゃないぞ、零二。こいつら送ったらすぐに助けにいってやるからな)
心は逸りながらも、ダークキッドは表面上は落ち着きを保ちながら少しだけ歩みを早めた。

後編に続く


















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